REPORT
活動レポート

2018年度柏の葉ジュニアビレッジ

柏の葉

目次

1. 活動テーマ

2. 活動スケジュール

3. 活動内容

4. 商品

5. 部員の声

6. サポーター

7. 活動秘話

9. フォトギャラリー

活動テーマ

柏3大野菜のふりかけで米食を推進する

柏の葉ジュニアビレッジが拠点を構える柏市は、千葉県の北西部に位置する人口43万人ほどの都市です。東京から約1時間という立地を活かしベッドタウンとして繁栄し、駅前は多くの商業施設が並んでいます。近年は産官学連携を推進しスマートシティとして有名となっています。

一方で、商業発展都市という側面を持ちながらも市の面積の4分の1を農地が占めるなど農業が盛んな一面もあり、かぶ、ねぎ、ほうれん草の栽培で有名です。近年は都市農業の推進に取り組んでおり、行政を巻き込んだ農業政策が特徴です。

そんな柏市が抱える課題は ”コメ離れ” です。

柏市のみならず、日本では食の多様化により年々コメ離れが進み、一人あたり年間消費量は全盛期の半分程度になっています。しかし、コメは日本の農業を支える非常に大切な存在です。

2018年度柏の葉ジュニアビレッジは、柏3大野菜を使ったふりかけを通じ、米食を推進する取り組みをしました。

活動スケジュール


・第1回  11月4日(日) 13:00~16:00 @KOIL

「キックオフ~役割を決めよう!柏の3大野菜を知ろう!」

・講義  「柏について」「活動を伝える!広報の仕事」

・講義  「柏の農業・柏の3大野菜を知ろう!」

・ワーク 「役割を決めよう」

・第2回 11月18日(日) 13:00~16:00 @かしわで

「ふりかけに必要な野菜を収穫しよう!」

・講義  「柏の農業について、仕事について」

・実習  「ふりかけに必要なかぶを収穫しよう!」

・実習  「ふりかけに使う野菜の1次加工をしよう!」

・第3回 12月9日(日) 13:00~16:00 @KOIL

「ふりかけの商品コンセプトを考えよう!」

・講義  「売れる商品づくり~マーケティング」

・ワーク 「商品のネーミング&キャッチフレーズを考えよう」

・第4回 12月16日(日) 13:00~16:00 @KOIL

「ふりかけの販売計画を立てよう!味を決めよう!」

・ワーク 「試食会!ふりかけの味を決めよう!」

・講義  「商品の販売価格はどうやって決まる?」

・ワーク 「販売計画を立てよう!」

・第5回 1月20日(日) 13:00~17:00 @KOIL

「パッケージデザインを考えよう!」

・講義  「商品の魅力が伝わるパッケージデザイン」

・ワーク 「パッケージデザインを考えよう」

・第6回 2月3日(日) 13:00~16:00 @かしわで

「柏の3大野菜を使ったふりかけを販売しよう!」

・実習  「販売準備」

・実習  「販売」

・実習  「売上集計と片付け」

・第7回 3月3日(日) 13:00~16:00 @KOIL

「活動内容をまとめよう!」

・ワーク 「活動レポートをまとめよう」

・ワーク 「発表資料を作ろう」

・第8回 3月10日(日) 13:00~16:00 @KOIL

「ジュニアビレッジ合同事業報告会」

・発表  「WEBで3拠点をつないで各ジュニアビレッジ年間活動報告」

・発表  「活動のまとめと記念撮影」

活動内容

[チームをつくる]

学年も住んでいるところも違うメンバーが一つの目標に向かって

2018年度柏の葉ジュニアビレッジは小学5年生から中学2年生までの13名で始まりました。社長チーム、企画チーム、生産チーム、販売チームのいずれかに所属を決め、無事に会社が設立されました。米食の推進という地域課題、柏市の名産品など特徴の講義を通じ、部員たちが議論し開発する商品を考えました。そして地域の名産である「かぶ、ねぎ、ほうれんそう」を使用したふりかけをつくることを決定しました。

 

[農業にとりくむ]

いつもは誰かがやってくれていたことを、自分で

ふりかけに使う野菜を生産し収穫するのも部員たちの仕事です。今年度は収穫のみとなりましたが、野菜の一次加工までの業務を行いました。土を落とす、傷んだ葉をとる、ねぎの葉を落とす・・・やってもやっても終わらない60KG近い野菜の一次加工に四苦八苦。どうしたら効率的にできそうか、途中から流れ作業で役割を決めて作業を進行しました。結局は予定時間を大幅に延長することとなってしまいました。しかし、日常生活では接点の少ない仕事に関わることで、新たな発見もあります。

[商品を開発する]

味もパッケージもコンセプトも意識したことがなかった

博報堂社員によるマーケティングの講義、株式会社DRAFTデザイナーによるパッケージデザインの講義などを通じ、販売計画や商品開発を進めます。ふりかけのコンセプトを考えるにあたってはKJ法を活用し、PDCAを回すことを意識しながら取り組みました。そして「健康、家族みんなで、和食」というコンセプトが決まり、それに沿った味の検討をします。試食を通じ、様々な仮説を立てながら検討した結果、わかめベースに決まりました。その後も原価計算をし値段を決め、コンセプトにあったパッケージの考案など販売へ万全の準備を整えていきました。

[販売する]

私達がつくりました、と自信を持って言えること

米食を推進するための部員たちのアイデアを形にした和ふりかけ。農産物直売場「かしわで」で販売しました。売り場を作り、各自担当を決め、販売しました。「時間内で100個売り切ろう」が今日の目標です。待っているだけではこの目標達成は無理だ、と考えた子ども達は、各々がPOPや商品、試食を持ちながら、店内を歩き回り、お客様に声掛けし、「自分たちが半年かけて商品化した物語のある商品であること」の競争優位性を最大限伝えながら、見事100個売り切りました!チーム一丸で目標達成した喜びと全員がやり切ったことを実感した笑顔あふれる販売体験となりました。


[活動を報告する]

株主総会さながらの事業報告

パソコンで資料を投影しながらの年間活動プレゼンテーションに挑戦しました。菊川、横須賀と、WEBでつなぎ、それぞれの地域でのジュニアビレッジの活動を聞き、お互い質疑応答を行いました。同世代の子ども達が地域ごとの課題に対してどんなプロセスで活動を行ったのか、数値報告はもちろん、各担務ごとに全員が年間活動を報告しあうことで、様々な気づきがありました。


[開発商品]

和ふりかけ

「緑」は柏三大野菜のねぎ、かぶ、ほうれん草とわかめを表しています。そして「茶色」は野菜が芽生え、実った源の土、「水色」はわかめがうまれ育った海の色を表しています。

「太陽」と「水」、「土」から育まれた食べ物を入れた子ども達が考えたふりかけを食べてみてください。

金額:450円

内容量:30g

原材料:ワカメ、砂糖、ごま、発酵調味料、ネギ、ホウレンソウ、カブ、酵母エキス、でん粉、カブの葉、ホタテエキス、香料(原材料の一部に小麦、大豆、ごまを含む)

アレルゲン:小麦、大豆、ごま

 

部員の声

社長チーム 小学5年生


半年前はみんな初体験で緊張もしましたが、積極的に話しかけるうちに仲良くなり、社長チームの仲間が協力しあったことで、チームとしてのまとまりがでてきたと思います。

社長チームで一番悩んだことはふりかけの価格設定です。近くのスーパーで市場調査をするとどれも100円台。私たちのふりかけは無添加・無農薬で人件費も考えるとどうしても100円台では販売できませんでした。悩んでいると、お父さんから「もっと高い高級ふりかけもあるよ」とアドバイスをもらい、450円で販売することを決めました。

 

販売チーム 小学5年生

道の駅に特設ブースを作ってもらい販売させてもらいました。最初はお客さんとの会話を恥ずかしいと思ったけれど、勇気を出して「ぼくたちが半年間かけてつくった健康ふりかけです」と声をかけると、多くの人が集まってくれました。集まってくれた人に買ってもらえるように小さな容器にご飯を入れてふりかけをかけて試食してもらう工夫をすると、どんどん売れるようになりました。目標としていた100個が売れた時にはみんなで「やった!よかった!」と手をたたいて喜びました。

 

サポーター紹介

生産管理 

染谷茂(染谷農場・かしわで)
http://www.kasiwade.com/

東京ドームおよそ35個分の農場を経営する大規模農家さん。地域を元気に明るい農業をモットーに日本の農業の将来を支えるべく様々な取り組みを行っています。柏の葉ジュニアビレッジには、農場の提供、生産管理、部員たちの農作業活動のサポートのほか、販売場所の提供までご支援いただきました。

商品開発

大瀬由生子(日本糀文化協会)
https://yuko-ose.com/

テレビ出演、新聞、雑誌への掲載も多数ある、柏を拠点に活動している料理研究家です。日本糀文化協会代表理事として糀や米食の普及、啓蒙に尽力しています。柏の葉ジュニアビレッジでは、お米や米糀についての講義や製品のレシピの考案などにご協力頂きました。

 


活動秘話・まとめ

2018年度柏の葉ジュニアビレッジは初年度ということもあり、色々トラブルが起こることが予想されました。しかし、大きなトラブルなく活動を終えることができました。8回という短い活動の中で、私達の予想以上に成長していく部員たちには驚かされるばかりでした。中でも販売会で見事に100個の在庫を完売したことは強く印象に残っています。

原料の加工をし商品を開発し販売まで1から10まで取り組み、自分たちで考えて「やり抜いた経験」、そして商品を完売したという「成功体験」は子供たちにとってかけがえのないものになったことでしょう。

そしてご支援いただいた地域サポーターさん、保護者のみなさんには非常にお世話になりました。来年以降、我々運営側も成長して行きますので、引き続きジュニアビレッジの応援よろしくお願いします。

 

 

ギャラリー

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