2018年度横須賀ジュニアビレッジ
目次
1. 活動テーマ
2. 活動スケジュール
3. 活動内容
4. 商品
5. 活動を通しての学び
6.フォトギャラリー
活動テーマ
横須賀のカラフル野菜の魅力を伝える
横須賀は首都圏の野菜一大供給地の1つです。三浦大根、キャベツなど様々な野菜が育てられています。最近は、少量多品種の西洋野菜を育てる農家さんも増えていますが、これらの野菜の多くはそのまま都内レストランなどに運ばれてしまうため、西洋野菜の産地であることは地元ではあまり知られていません。そこで、横須賀ジュニアビレッジは、「横須賀産紫にんじん」を活用した商品開発を通じて、もっと横須賀のカラフル野菜について知ってもらえるよう活動をしてきました。また、首都圏一大供給地だからこそ「野菜を育てるだけではなく、育てた野菜は無駄なくいただくことの大切さ」を考え、横須賀の食と農業の魅力を子ども達が主体となって広めることに挑戦しました。
活動スケジュール
1 子どもたちが主体の会社組織の形成
2横須賀の農業の理解と課題の共有
3紫にんじんづくりと一次加工体験
4紫にんじんを使った商品開発(コンセプトづくりとパッケージデザイン)
5事業報告書作成と報告会での事業報告プレゼンテーション
開発した商品:つぶつぶ食感横須賀まろやか紫にんじんドレッシング
アンケートをもとにコンセプト決定「つぶつぶ食感、なんにでもあう、横須賀産紫にんじんを使った、栄養があって健康にいい」
活動内容
「キックオフ~役割を決めよう!横須賀のカラフル野菜を知ろう!」
小学5年生から小学6年生までの5名が初めて出会っての活動でした。横須賀市の紹介、首都圏一大供給地でもある横須賀の農業や農作物についての説明があり、実際にチームづくりを兼ねて里いも収穫の作業を手伝いました。実際のカラフル野菜も準備。子ども達は、初めて見るいろいろな色の野菜にビックリしていました。この日のゴールは会社設立のため、各自の役割を決めることでした。社長、副社長、企画担当、生産管理担当、販売担当の役割に対し、立候補制で役割を決めました。不安もありましたが、それぞれが立候補し、スムーズに役割も決定し、無事に会社が設立されました。
「ドレッシングの試作品づくりに挑戦しよう!味を決めよう!」
できたてほやほやの名刺、活動ユニフォームを活用しての活動が本格スタートしました。三浦半島を中心に活躍する料理研究家の長谷川りえさんに講師でお越しいただき、「にんじん」を使ったドレッシングの試作品を作りました。用意されたにんじんは「オレンジ」と「紫」の2種類。皮をむき、にんじんを切り、軟らかく煮て、ミキサーにかけて、味をつけました。用意された調味料は10種類以上。いくつものパターンで、子ども達は味覚を頼りに味の微調整を行いました。市場調査用の試作品を作ってもらうためのレシピをまとめ、活動を終了。商品が作られる過程を実体験しました。
「追浜ナイトバザールで市場調査しよう!」
京急追浜駅前で開催された地域産品販売イベント「追浜ナイトバザール」にブース出展し、にんじんドレッシングのABテストを行いました。お客様に試作品を試食していただき、食感、見た目、味などをアンケートしました。できるだけ沢山の声を集めよう!と活動目当てを共有しましたが、この日はRちゃんが大活躍!積極的に「試食いかがですか?食べてみてどうですか?」往来するお客様に声をかけます。全部で56名の方から貴重な意見をいただくことができました。
「紫にんじんを収穫しよう!商品コンセプトを考えよう!」
紫にんじんを収穫しました。夏の台風による塩害で紫にんじんは大打撃を受け、収穫できたのは50本程度でした。自然と正対する農業の大変さを思い知る結果となりました。収穫できたにんじんも大きさも太さもバラバラです。生鮮野菜として販売するには規格外のようなにんじんばかりでしたが、子ども達が作るものはドレッシング。1本も無駄なく使うことができます。1本ずつ丁寧に1次加工しました。後半はマーケティングのプロである博報堂の山口綱士さんに講師でお越しいただき、商品コンセプトを考えました。顧客視点での魅力を考える。難しい課題でしたが、ドレッシングの魅力を3つに絞り込み、商品名は「つぶつぶ食感・横須賀まろやか紫にんじんドレッシング」と決まりました。
「紫にんじんドレッシングに加工しよう!販売準備しよう!」
商品加工をお願いしているたのし屋本舗加工場にお伺いし、下澤社長と一緒にドレッシングの加工体験をしました。商品製造の過程を知ることで、販売体験や営業ツール作成に役立てることが目的です。午前中かけてドレッシング加工をしたあと、午後からは販売価格を決めたり、販売用ポスターを作成しました。物流コスト、加工費用、など見えないコストがたくさんかかっていることがわかりました。ドレッシングラベルデザイン案も到着し、お客さまから見て、棚に商品が並んだ時どうだろう?という視点で話し合いをし、ラベルデザインも決定しました。
「紫にんじんドレッシングを販売しよう!」
大型農産物直売場「すかなごっそ」で「紫にんじんドレッシング」を販売しました。売り場を作り、各自担当を決め、販売しました。販売したドレッシングは家庭用だと少し大きめの400mlサイズです。ところが、なかなか売れず、頑張ったものの目標の半数も売ることができませんでした。お金を稼ぐことの大変さを実感しました。振り返りの時間に子ども達から様々な改善策が提案され、急遽目標達成のために、次の販売時間を延ばしたいという話に。であれば、交渉です。すかなごっその店長に子ども達自ら、販売時間延長の相談を持ち掛け、時間延長を考慮したリベンジ販売会開催が決まりました。
「三方よしの商売を考えよう!紫にんじんドレッシングを販売しよう!」
前回に引き続き、「すかなごっそ」で、リベンジ販売会を開催しました。販売会の冒頭に「かながわ信用金庫」の方による「三方よしの商売について」お話をお聞きしました。子ども達からの改善策により、今回はドレッシングの容器を280mlサイズにし、販売価格を450円に設定しました。急遽の改善プランに基づく商品製造で間に合ったのは全部で44本。目標は「完売」です。待っているだけではなく、自らPOPを持ち、試食を声がけし、自分たちが生産から商品企画から関わった商品であることをお客様に伝えます。そして見事12時前にすべてのドレッシングが完売!達成感に子ども達から笑みがこぼれた瞬間でした。自分たちの活動がお客さまはもちろん、生産者、地域も元気にすることに役立つと実感しました。
「ジュニアビレッジ合同事業報告会」
パソコンで資料を投影しながらの年間活動プレゼンテーションに挑戦しました。菊川、横須賀と、WEBでつなぎ、それぞれの地域でのジュニアビレッジの活動を聞き、お互い質疑応答を行いました。
同世代の子ども達が地域ごとの課題に対してどんなプロセスで活動を行ったのか、数値報告はもちろん、各担務ごとに全員が年間活動を報告しあうことで、様々な気づきがありました。
商品
「横須賀まろやか むらさきにんじんドレッシング」280ml 450円
つぶつぶ食感がおいしいドレッシングを作りました。
◎ドレッシングの理由・工夫
・小ロットで、半年以上賞味期限があって、客単価がとれそう
・ドレッシングなら使用回数が多く横須賀の宣伝にもなる
・サラダだけでなくディップやソース用としても使える、用途が多い
・肉にも魚にもあう、しかも色がとってもきれい
・にんじんが好きではない人やお年寄りも子どもも食べられるように
活動を通しての学び
台風による塩害・販売会での挫折などを経験し、部員がお店に直談判で販売時間延長・再販売を決定しました。
また、試食アンケートをもとに販売価格を設定しました。内容量を減らし安くしたものを2週間で44本作成、再販売会では完売した。社会の一員として農業をテーマにした一連の会社経営体験を通じて、横須賀の歴史、風土にあった農作物がつくられていることやビジネスの一連の流れ・社会の仕組みを理解することができました。課題解決に向けて仲間と協力して挑戦することが大切であることにも気づきました。チームの目標達成には、自分の役割を理解し担務をやりきる責任感を持つことが大切であることを実感しました。
ギャラリー