REPORT
活動レポート

2019年度菊川ジュニアビレッジ

菊川

活動概要

静岡県菊川市は、浜松市と静岡市のほぼ中間に位置した穏やかな街です。教育に力を入れており、子育て環境の整備やタブレット端末を利用した授業が進められています。また温暖な気候で日照時間も長いため、お茶やメキャベツ、レタスなどの農業も盛んです。電車から見えるお茶畑や棚田は、訪れる方々の目を楽しませています。暮らしやすく、また自然あふれた環境を求めて移住して来られる方もいらっしゃいます。

そんな菊川市が抱える課題は「お茶が売れない」ことです。茶葉での消費量は全国的に減少しており、農家が出荷する茶葉単価も下がっています。農家の高齢化も進み、耕作放棄される茶畑も増えています。

そこで、菊川ジュニアビレッジでは、「菊川のお茶を飲んでもらおう!」と、緑茶を飲まない世代にも楽しんでいただけるような商品を開発することに。菊川ジュニアビレッジの部員が育てたハーブを菊川市産の和紅茶とブレンドし、やさしい甘さのハーブティーが出来ました。

2019年度はハーブティーづくりのほか、ハーブティーを使ったお菓子作りや「椀茶」(わんちゃ)という形での商品化、芽キャベツづくりにも取り組みました。また、首都圏からの新茶ツアーのお手伝いや、鈴与株式会社の皆さんと一緒に農作業をするなど、交流活動にも取り組みました。

 

■活動場所:静岡県菊川市三沢

■活動期間:2019年4月~2020年3月 全40回程度

■商品概要:本気のハーブティー(ステビア)     600円

本気のハーブティー(レモンバーベナ)  700円

本気のハーブティー(パイナップルミント)600円

本気のハーブティー椀茶         400円

■商品売上:869,153円

■活動内容

①子ども達が主体の会社組織の形成

②茶業の理解

③ハーブの栽培、収穫

④ハーブティーの商品開発(コンセプトづくりとパッケージデザイン)

⑤売上目標設定、目標達成に向けた役割分担と加工品販売

⑥事業報告書類作成と報告会での事業報告プレゼンテーション

ギャラリー

栽培・収穫

部室から徒歩5分ほどの畑にみんなで向かい、農作業をします。

春、ハーブの苗をみんなで植えました。先輩から後輩に植え方を説明し、協力して植えます。

植えてからは、活動のはじめに草取りタイムをとり、地道に畑を綺麗にしました。

お客さんへのおもてなしも手慣れたもの。訪れたお兄さん、お姉さんたちにハーブの紹介をしました。

酷暑の夏、ハーブを収穫。硬い茎を入れないように、丁寧に採っていきます。

台風が直撃したり、暑さで枯れてしまったりとハプニングもありましたが、臨時に集まって収穫するなど、協力して作業を進めました。

秋・冬は、菊川市の特産である芽キャベツの栽培も。ボランティアサポーターに助けていただき、収穫までたどり着きました。収穫後の時期に販売会が中止になったため売ることはできませんでしたが、みんなで美味しく食べました。

企画・経営会議

社長や部長、それぞれの部署は立候補制で決めます。社長には、出席した中学2年生が全員立候補!演説と投票で2名が決まりました。

売上目標も決め、今年の売上計画を立てます。

また今年度は、部員がやってみたい!と思ったアイディアがあったら「企画書」にまとめてもらうようにしたところ、びっしり書いてきてくれた部員が数名いました。

そのうちの一つが芽キャベツの栽培です。しっかり実現できました!

 

商品のパッケージラベルのデザインは、デザイン部の部員がイラストを描いてきてみんなで相談。黒がベースで大人っぽいラベルは、販売会でもお客さんに好評!

おしゃれだねー!など声を掛けていただきました。

 

菊川市の代表的なお菓子メーカー「たこ満」さんと、お菓子の共同開発もしました。話し合いの結果、ハーブティーを使ったパウンドケーキを作ることに。

作っていただいた試作品をみんなで試食。「もう少しハーブティーの味が濃くても良いかなぁ」など意見を出して、プロに作ってもらったり、お店の方に挨拶に行ったり。

誇れる商品が一つ増えました!

販売会

秋には商品がたくさん出来ました。

自らの手で作った商品を、イベントなどで直接お客様に販売します!

市内の一大イベント「菊川市産業祭」で販売したときには、学校の友達や知り合いの方、地域の方々に試飲していただきつつ、会話しながら販売することが出来ました。

また、11月には東京に出張し、「ジャパンハーベスト2019」というイベントにてハーブティーを販売しました。
市外で、知られていない場所での販売でも物怖じせず、楽しそうに販売をしていました。また、全国から集まった皆さんの商品や売り方も見ることができ、積極的に勉強しに行く部員もいました。

販売会中の部員たちの役割分担も慣れたもので、お客様にお声がけする部員、試飲用のハーブティーを美味しく入れる部員、店構えのレイアウトを調整する部員……など、それぞれのポジションで力を合わせていました。

2月以降は新型コロナウイルス蔓延の影響により、計画していたイベン

トがいくつも中止されてしまいましたが、在庫をほぼ売り切って年度を締めることができました。

事業報告会

一年間の活動報告を行う事業報告会。今年度は感染症予防のため、規模を縮小しての開催となりました。

開催にあたり、まず “誰に” “何を” 伝えたいのか、整理しました。

付箋を使いながらのアイディア整理もお手の物。お世話になった方々を思い浮かべながら “伝えたい人” を挙げていき、発表スライドを作っていきます。

当日、実際にはオンラインで視聴していただいたり、他の拠点のジュニアビレッジの仲間と繋いだりしました。

発表のリハーサルも重ね、緊張した面持ちでしたが皆しっかりと、活動の様子を伝えることが出来ました。

コーポレートビレッジ 鈴与株式会社さまの取り組み

鈴与株式会社の皆様が、「SUZUYO いいね!プロジェクト」という地域貢献事業として、菊川ジュニアビレッジの畑作業を手伝ってくださいました。

役員・社員の皆様やそのご家族の方々が、部員と一緒に、ハーブの定植や収穫を行いました。

部員からやり方をご説明し、作業中は社長の部員と鈴与さんの取締役の皆様との雑談の場面もあり、部員にとっても刺激的な取り組みとなりました。

できたハーブティーもお買い上げいただき、部員たちも誇らしげでした。

また、年度末には、オンラインにて活動報告をさせていただきました。部員たちが事業をやってみて悩んだことなどを鈴与株式会社のみなさんに質問する場面も見られ、有意義な時間となりました。

鈴与株式会社の皆さんは、菊川ジュニアビレッジだけでなく、菊川市のせんがまち棚田にて酒米の田植えや草取り、収穫も行ってくださいました。社員の皆様にも好評の取り組みとなりました。

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